登場人物

・黒紅(くろべに・名前変更不可)
本作品の主人公。
世界を再生するための、『供物』に選ばれた十六歳の少女。
真っ黒な髪と、真っ黒な瞳を持ち、全体的に小柄な体系をしている。
着ているものも粗末で、手足がむき出しになった着物を着ており、着飾った雰囲気ではない。
身体の丈夫さ加減、風邪をひかない、何処でもすぐ眠れる、木登りが上手いなど、日常生活で特筆すべき取り柄ではないものが取り柄。
生まれつき盲目であり、右目だけが僅かに光に反応する。
特別見えないことに対して負い目を感じたり、自分から苦労を背負い込むことはない。
黒紅という名は父親が名づけたもの。


・偽王(にせおう)
世界を支える柱の一つ。『破壊』の名を持つ。
本名は別にあるが、その名前は現在は使用していない。
柱の中で、最も強大な力を持ち、見上げる体躯と、まだらに灰色に染まった巨大な羽を持つ。
人と関わることを極端に避けており、儀式に対しても常に非協力的な態度を取る。
無口で、凶暴。
同じ柱の一つである、浅葱とは仲が悪く、会話をすることも稀。


・浅葱(あさぎ)
世界を支える柱の一つ。『真理』の名を持つ。
柱の中では最年少の生まれたばかりの存在。
風を操る力を持ち、聖域の知識に関しては右に出るものがいない。
翡翠に輝く瞳と、緑に薄く透ける羽を持つ。体格は柱の中で最も小柄。
儀式に対して最も率先的に協力しており、王に対する忠義心も深い。
生真面目で、説教好きな性格。
真理の名のせいか、時折自分の知らない過去の出来事を夢に見ることがある。


・琥珀(こはく)
世界を支える柱の一つ。『恒久』の名を持つ。
柱の中では最も長命。現在の王よりも昔から生きているといわれるが、真偽は不明。
他の柱のように、特別な力は何も持たず、ただその場に存在している。
蜜色の瞳と、羽を持つ。羽は肉眼では全く視認できない。
儀式に対しても、王に対しても、常に平坦で怠惰な態度を取る。
総ての出来事を達観するかのような態度で日々を送り、時折、聞いたことのない言葉を口にする。
持つ知識は、真理の名を持つ浅葱を凌ぐことすらある。


・影(かげ)
聖域の森に出没する、半実体の存在。
陽炎のようにゆらゆらと揺れ、人型をしている。
正体も、行動原理も不明。
単独で現れることもあれば、集団で出没することもある。
偽王にははっきりと視認できるが、浅葱には目を凝らさなければ見ることができない。
琥珀は敵意を見せず、影と会話できる唯一の存在。


・王(おう)
世界の中心に位置すると言われる存在。
その正体は不明。
柱に対して絶大な力を持つ。


・月光(げっこう)
王によって月の光を集められて作られた人型。
供物の面倒をみるために存在し、聖域で過ごす黒紅の世話をする。
痩身で長い髪、透明な瞳を持つ。


『Nights of the Knife』




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『陸路の果て』